真田太平記 全12巻


真田太平記(一)天魔の夏 (新潮文庫)

真田太平記(一)天魔の夏 (新潮文庫)


若い頃には武田信玄の片目と言われ、武田家滅亡後は徳川・上杉・北条の3巨大勢力に囲まれながらも独立を保ち、豊臣秀吉に「表裏比興の者」(油断のならぬ男的な意)と呼ばれつつ頼りにもされた『真田昌幸

その昌幸の次男であり、父と共に関が原合戦時は2000の兵で3万8千の徳川軍を足止めさせ、大阪冬の陣、夏の陣で奮戦し「真田日本一の兵」と呼ばれた『真田幸村

もちろんこの2人は多くの他小説が語るように魅力的に描かれているが
その幸村の兄であり、徳川政権となった江戸時代も大名として真田の血を残した『真田信之』についても力を入れて描かれていることに新鮮さを感じた。自分としては信之も好きなのでかなり嬉しい。


さらにこの本の魅力は『忍の者』が物語のうえでかなりの要素を占めるところだろう。
この忍者達にも人間的な魅力を感じ、のめりこむ。


あとがきにも書かれているが、長編にも関わらずかなり緻密な物語の構成で
無駄な人物、無駄な死、無駄な伏線は一切感じさせなかった。


戦国時代を知らない人もきっと楽しめるだろう大作。