とてつもない日本

自民党惨敗から1週間。

とてつもない日本』を読了。

現・外務大臣 麻生太郎
格差社会少子化、教育崩壊......。メディアでは暗い話ばかりが
喧伝されるが、日本は本当にそんなに「駄目な国」なのだろうか。戦後、一度も
戦争をせず、努力の末、経済的繁栄を実現した。トヨタソニー、カラオケ、マ
ンガは言うまでもないが、日本人が考えている以上に日本は評価され、期待もさ
れている。悲観していても何も始まらない。「日本の底力」をもう一度見つめ直
し、未来を考えるための一冊。

現役外務大臣らしく外交的見地や海外から見た日本を分析に基づいた話が中心。
それだけに説得力に富んでいるし、日本のマスコミが放送しないエピソードも多数披露。

本の中で著者はこう語りかける。
「もっと日本に自信をもってもいいのではないか」「今の日本だって実は結構すごい」


著者が持っている信念は『美しい国へ』の著者である、現・首相の安倍晋三氏と考えが似ている。言いたいことも似ている。仮に前回の総裁選で麻生氏が首相になっても安倍氏は閣僚入りしていただろうと思うぐらいだ。

違う部分とすれば、立場や職歴がそうさせるのか、安倍氏が理想を語り現実を語るのに対して麻生氏は現実を語り理想を語るリアリスト的な側面が強いように思える。
安倍氏をクラスの学級委員だとすれば、麻生氏は近所のお兄ちゃん的と言えば伝わるだろうか。(・・・・・わかりにくいか。。orz)


本の中で「もっと政治家は明るい夢を語っていいではないか」と著者が言うように
世界ではトップクラスの経済力と生活水準を持っているにも関わらず、今の日本はどこか暗い空気で淀んでいる。

そんな中で著者は外務大臣らしく現実的、客観的に近い立場で明るい未来を創っていこうと読者に呼びかける。
新聞・テレビなどの第3者が編集した添削情報ではなく、いま最も次期首相に近い政治家の想いが分かる、良書。